サマリー
◆2014年の経済運営を協議する中国共産党中央経済工作会議が12月10日~13日に北京で開催された。同会議で提示された6項目の重点は、①食糧の量的・質的安全を保障する、②産業構造の調整に注力する、③債務リスクをコントロールする、④地域(区域)の協調発展を積極的に推進する、⑤民生を保障・改善する、⑥対外開放のレベルを絶えず高める、となっている。
◆同会議では2014年の経済成長率目標は明示されなかった。大和総研は、2014年の中国経済の最重要ポイントは、「地方政府関連債務をコントロールすること(急増させないこと)」であると認識している。これは、「固定資産投資の急増→無駄な投資と借金の急増→潜在的な不良債権の急増」こそが、避けるべきリスクシナリオと想定しているためである。この点で、2014年の成長率目標は、7.5%よりも7.0%の方が好ましいと考えている。
◆もうひとつ、持続的安定成長の観点からは、2014年の消費者物価上昇率の政府抑制目標にも注目したい。2013年の抑制目標は3.5%であったが、こちらは4.0%に引き上げられれば、金融引き締めが景気に水を注すリスクが低下しよう。
◆2014年の中国経済にとって最も好ましい組み合わせは、実質GDP成長率目標は7.0%、消費者物価上昇率抑制目標は4.0%となることだと考えている。
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