サマリー
2013年6月2日~6月7日に中国北京市・天津市を訪問し、外資導入政策や外資系企業の動向について、ヒアリングを行う機会を得た。
中国、特に地方の外資導入熱は全く冷めていない。外資系企業のプレゼンスは、固定資産投資に比べて、輸出や鉱工業生産のシェアが高く、外資系企業の生産性の高さや、投資の質の高さが示唆される。外資系企業への評価は、技術や現代的な経営管理・手法などにも及ぶ。
外資系企業が抱える最大の課題・問題点は、労働コストの上昇である。これにより、労働集約的な産業の競争力が失われる一方で、消費市場としての中国の魅力は増していく。今後の有望業種は、農業、付加価値の高い製造業のほか、金融、物流、医療、文化教育、環境保護、IT・ソフトウエアなど、高品質のサービス産業や生活に密接に関連する分野などが挙げられる。
日系企業のうち、輸出型から市場型への転換が困難な中小企業の一部では、コスト競争力の喪失から中国からの撤退が現実味を帯びていこう。一方で、大企業は市場型への転換が進展していること、さらには国際分散の観点から、中国からの撤退は現実的な選択肢ではない。
中国の潜在成長率が低下するなか、今後は、保守的な前提条件でも黒字化が達成できる綿密な事業計画と投資回収期間の最短化、そして有望業種の見極めが重要になろう。

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