QFIIの投資上限を1,500億米ドルに引き上げへ

IPO再開に向けた布石か

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2013年07月16日

サマリー

◆中国証券監督管理委員会(CSRC)、中国人民銀行、国家外貨管理局は2013年7月12日に、QFIIの投資認可額上限を従来の800億米ドルから1,500億米ドルに引き上げると発表した。現在、香港のみに認められているRQFIIについては、テスト地域として台湾、シンガポール、ロンドンを加える方針も発表している。


◆CSRCによると、足元でQFIIとRQFIIが保有するA株の時価総額は、A株全体の流通時価総額の1.6%にすぎないという。QFIIの新たな上限1,500億米ドルとRQFIIの上限2,700億元の全てを使ってもその比率は5.1%に上昇するにとどまる。


◆QFIIの投資認可額上限の大幅引き上げやRQFIIのテスト地域拡大は、当然、中国の証券市場の対外開放や国際化推進にとって、重要な措置である。しかし、QFIIの累計認可額は434.63億米ドルと従来の上限800億米ドルにはまだまだ余裕があり、なぜこの時期に1,500億米ドルまでの拡大を発表したのかという疑問は残る。恐らく、2012年10月以降ストップしているIPOの再開による需給悪化懸念をQFIIの投資認可額上限の引き上げで和らげようとしているのであろう。

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