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中国:輸出急増の主因は偽輸出による水増しか

国家外貨管理局は外貨資金流入管理を強化へ

2013年05月13日

経済調査部 主席研究員 齋藤 尚登

サマリー

◆中国税関統計によると、2013年1月~4月の輸出は前年同期比17.4%増(4月は前年同月比14.7%増)、輸入は同10.6%増(4月は同16.8%増)と、好調だった。しかし、この輸出好調の主因は「偽輸出」による水増しである可能性が高い。中国の対香港輸出(中国側統計)と、香港の対中国輸入(香港側統計)は、ほぼ同じ動きをするはずであるが、直近では両者のギャップが急拡大している。香港の4月の貿易統計が未だ発表されていないため、1月~3月の金額の差を計算すると、実に495.0億米ドルに達する。1月~3月の中国の貿易黒字431.3億米ドルは全て消し飛ぶ計算である。


◆恐らく、「偽輸出」の舞台は中国広東省と香港であり、香港から資金が中国(広東省)に流入し、不動産などに投資されているのであろう。2013年3月の70都市の新築住宅価格上昇率をみると、広東省広州市と深圳市が1位と2位となっており、不動産投資・投機資金の流入がその一因となった可能性が高い。


◆こうしたなか、国家外貨管理局は5月5日付けで、外貨資金流入の管理を強化する旨の通知を発表し、偽輸出問題や域外からの不動産投資・投機資金の違法な流入を取り締まる姿勢を明確にした。偽輸出による水増し分が抑制されることで、年間の中国の輸出は、前年比10%増程度の伸びとなろう。2012年の前年比7.9%増から若干上向くのは日米景気回復による需要増加を見込むためである。

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