中国の家計金融資産、日本の5割と5%

低水準の保険・年金準備金は人口高齢化への準備不足を示唆

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2013年03月01日

サマリー

◆中国の2011年末の家計金融資産は前年比13.3%増の56.1兆元(約768兆円)、一人当たりでは41,880元(約57万円)であった。総額では日本の家計金融資産1,500兆円の5割強だが、一人当たりでは日本の1,171万円の5%弱にすぎない。


◆家計金融資産の内訳は、現金・預金が70.4%を占め、日本の55.9%と比べても、安全資産に偏重している。現金・預金以外で特徴的なのは、日本や米国では家計金融資産の3割程度を占める保険・年金準備金の割合が11.5%にとどまっていることであり、人口高齢化への準備不足を示唆している。持続可能な年金制度の設計と拡充は待ったなしであり、それが中長期的に家計金融資産としての保険・年金準備金のウエイト拡大をもたらそう。


◆2011年末の家計金融負債は前年比15.6%増の13.9兆元で、およそ5割が住宅ローンとされる。家計金融負債の家計金融資産に対する割合は年々上昇する傾向にあり、2011年は24.8%だった。これは日本の24.0%とほぼ同水準であり、住宅ローンが家計金融負債に占める割合も日本(45.4%)と大きく変わらない。

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