サマリー
◆2012年の中国経済は、リーマン・ショック後の4兆元の景気対策の後始末を続けながら、景気を底打ち・反転させるという難題に取り組んだ1年であった。このため、今回は投資全体を刺激するのではなく、農業、インフラ、保障性住宅、戦略的新興産業など、「民生改善」か「産業構造の高度化」を推進できる投資に限定した上積みが行われた。
◆中国の景気は2012年7月~9月の7.4%成長を底に緩やかに回復していこう。2013年は8.3%程度の実質成長を想定している。今後の景気回復が緩やかなものになるのは、中国政府が投資を急増させるリスクを強く認識しているためである。このため、2013年も2012年と同様に、インフラや保障性住宅などへの投資増加を確保しつつも全体を大きく伸ばすことは回避されるとみている。
◆大和総研では、2013年秋口までの実質消費の堅調を想定している。その後は、物価上昇圧力の高まりと、省エネ製品に対する補助金政策の一巡が、実質消費の伸びを若干抑制しよう。
◆輸出先の主要先進国・地域の景況はなかなか改善してこない。2013年の輸出の伸びは最大でも10%程度と想定している。中国の景気が内需主導の緩やかな回復を遂げること、資源・エネルギー価格が上昇する可能性があることを勘案すると、輸入の伸びは輸出を上回ろう。
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