サマリー
◆中国では昨年、貧困基準が大幅に引き上げられた。中国は、以前から明示的に貧困削減対策に取り組んできており、貧困人口の削減という点では、国際的に見ても大きな成果を挙げている。他方、貧困対策関連支出の有効性・妥当性については、その資金管理等の面で、様々な問題が指摘されている。
◆中国が貧困基準を引き上げるのは、国内的には、貧困問題に積極的に取り組んでいることを示す一方、国際的には、中国がなお多くの貧困人口を抱えた途上国であると主張する意味がある。
◆高成長の下での貧困の存在は、所得格差の拡大を意味している。格差拡大の社会的影響、今後の見通しについては、経済成長や経済発展段階との関連で検討する必要がある。
◆巨額の「隠れた収入」の存在は、貧困問題や所得格差等の面で、様々なインプリケーションを有している。特に、その存在が、貧困の緩和、ひいては社会の安定に繋がっているという皮肉な側面も考えられ、そうであるとすると、「隠れた収入」にどう対応するのか、問題は複雑である。
本稿は、外国為替貿易研究会発行「国際金融」2012年7月号に掲載されたものを加筆修正の上、転載している。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
中国:綱紀粛正強化と経済の萎縮
中央委員は5年で2割減の異常。問われることのない任命責任
2026年10月30日
-
中国経済見通し:不動産不況の底打ちに期待
見通しを2026年4.5%→4.6%、2027年4.2%→4.4%に引き上げ
2026年10月22日
-
中国:26年7~9月は4.5%成長の低空飛行
さらなる景気テコ入れ策の可能性も
2026年10月19日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本の長期金利、2035年に5%台の可能性
2035年に3.5~4.2%程度で、海外保有拡大で1%pt超の上乗せも
2026年10月16日
-
増える高齢富裕層とその地域分布
高齢富裕層はどこにいるのか、その資産は今後どこへ向かうのか
2026年10月01日
-
金利上昇と「資本コストや株価を意識した経営」
金利上昇による資本コスト上昇は限定的だが引き続き要注視
2026年10月13日
-
預貸率における地域間格差
東京都への一極集中と地域金融機関に期待される対応
2026年10月02日
-
飲食料品の消費減税による消費行動への影響
買い控え・反動増は限定的。外食支援策は実態を見極めた対応を
2026年10月19日
日本の長期金利、2035年に5%台の可能性
2035年に3.5~4.2%程度で、海外保有拡大で1%pt超の上乗せも
2026年10月16日
増える高齢富裕層とその地域分布
高齢富裕層はどこにいるのか、その資産は今後どこへ向かうのか
2026年10月01日
金利上昇と「資本コストや株価を意識した経営」
金利上昇による資本コスト上昇は限定的だが引き続き要注視
2026年10月13日
預貸率における地域間格差
東京都への一極集中と地域金融機関に期待される対応
2026年10月02日
飲食料品の消費減税による消費行動への影響
買い控え・反動増は限定的。外食支援策は実態を見極めた対応を
2026年10月19日

