中国:上場廃止プロセスの迅速化・透明化

株式市場の健全化には株式発行制度の改善も不可欠

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2012年07月02日

サマリー

◆上海証券取引所と深?証券取引所は、2012年6月28日付けで新規定を発表、上場廃止基準を強化すると同時に、上場廃止決定プロセスの迅速化と上場廃止後の店頭での取引といった一連の流れの透明性を高めるとしている。

◆新規定では、上場暫定停止後の上場再開に必要な条件として、直近事業年度で非経常性損益の控除前、控除後の純利益がともにプラスとなることを求め、上場再開申請に必要とされる補足資料の提出期限は累計30営業日以内と定めた。これらは、上場暫定停止後の起死回生策をある程度抑制し、円滑な上場廃止が図られると評価する声もある。しかし、起死回生策の導入が前倒しになるだけで(上場暫定停止となる前の特別処理の段階で対策を行う)、実態はあまり変わらないと強く懸念されることも事実であろう。

◆株式市場の健全化には、資金調達をしたい健全な会社が、株式市場に容易にアクセスできるよう、株式発行制度の改善が同時に行われる必要があろう。

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