サマリー
背景には、省外へ出稼ぎに行く農民工が減少したことが挙げられる。出稼ぎに行く農民工のうち、省内へは前年比10.1%増の8,390万人と大幅に増加した一方で、省外へは同3.2%減の7,473万人となった。省外へ出稼ぎに行く農民工の割合は2008年時点で53.3%であったが、その後2011年には47.1%まで低下し、初めて半数を割り込んだのである。この理由の1つとして、農民工の賃金が東部・中部・西部間でほとんど差がなくなったことが影響したと考えられる。同報告によれば、2011年における出稼ぎ農民工一人当たりの月収は東部で前年比21.0%増の2,053元、中部では同22.9%増の2,006元、西部では同21.1%増の1,990元となり、差はほとんどみられない。中西部では、インフラ整備をはじめとした急速な経済発展により、都市化が進み、それに伴って雇用機会も拡大したと考えられる。
今後も、特に中西部では都市化が着実に進展することで、農民工の就業先も拡大すると想定される。そもそも中西部は東部と比較して都市化が進んでおらず、2010年に行われた人口センサスによれば、東部の都市化率は59.9%だったのに対して、中部は45.3%、西部は41.4%にとどまっていた。これに対して、中国政府は中西部で都市化を進展させる政策を発表している。たとえば、中部崛起と呼ばれる中部地域の発展促進計画では、2015年までに中部の都市化率を48%に引き上げることを目標としており、また、西部大開発第12次5ヵ年計画(2011年~2015年)では、西部の都市化率を45%以上にすることが目標とされている。
中西部では、都市化の進展によって出身地域の近くへ出稼ぎに行く農民工が一層増えていくと考えられる。これらの地域では、今後もインフラ投資による雇用拡大が、投資や消費拡大の呼び水となり、中期的にも相対的に経済成長の「西高東低」が続こう。
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