サマリー
◆QFIIに対して銀行間債券市場への投資を認めることは、新たな投資先を提供するだけでなく、2つの規制緩和の進展を意味しており、注目される。一つは、中国人民銀行が管理監督する銀行間債券市場の債券がCSRCの管理監督する商品以外で初めてQFIIの投資対象となった点である。もう一つは、従来、海外機構による銀行間債券投資が中央銀行+実需に裏付けされた人民元の運用に限られていたが、今回のQFIIによる銀行間債券市場への投資認可が実需原則の緩和に踏み込んだことを意味している点である。
◆2012年4月に、CSRCと中国人民銀行、中国外貨管理局はQFIIの投資認可額上限を従来の300億米ドルから800億米ドルへ引き上げた。今回の規制緩和が実行に移されれば、QFIIの資格認可がスピードアップし、投資認可額の認定も大きく増加していこう。足元、QFIIの株式市場への投資額は、A株流通時価総額の1.1%にすぎないが、QFIIの本格的な増加により、そのウエイトは徐々に高まると期待できる。
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