中国:対中証券投資規制の大幅緩和方針を発表

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2012年06月22日

サマリー

◆中国証券監督管理委員会(CSRC)は、2012年6月20日に「適格域外機関投資家による域内証券投資管理方法を実施する際の問題に関する規定」(意見聴取版)を発表、資格要件を引き下げ、株価指数先物と銀行間債券市場への投資を新たに認めるなど、QFII(適格海外機関投資家)に対する規制を大幅に緩和する方針を示した。

◆QFIIに対して銀行間債券市場への投資を認めることは、新たな投資先を提供するだけでなく、2つの規制緩和の進展を意味しており、注目される。一つは、中国人民銀行が管理監督する銀行間債券市場の債券がCSRCの管理監督する商品以外で初めてQFIIの投資対象となった点である。もう一つは、従来、海外機構による銀行間債券投資が中央銀行+実需に裏付けされた人民元の運用に限られていたが、今回のQFIIによる銀行間債券市場への投資認可が実需原則の緩和に踏み込んだことを意味している点である。

◆2012年4月に、CSRCと中国人民銀行、中国外貨管理局はQFIIの投資認可額上限を従来の300億米ドルから800億米ドルへ引き上げた。今回の規制緩和が実行に移されれば、QFIIの資格認可がスピードアップし、投資認可額の認定も大きく増加していこう。足元、QFIIの株式市場への投資額は、A株流通時価総額の1.1%にすぎないが、QFIIの本格的な増加により、そのウエイトは徐々に高まると期待できる。

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