サマリー
◆中国人民銀行と西南財経大学が共同設立した中国家計金融調査・研究センターが発表した「中国家計金融調査報告」によると、[1]都市と農村の資産格差(都市÷農村)は、平均値は10.2倍である一方、中央値では1.7倍にとどまる、[2]都市家計資産の平均値と中央値の格差(平均値÷中央値)は31.4倍にもなっており、都市富裕層への資産の集中度合いが著しいことが示される。上位10%の収入・資産が全体に占める割合をみると、家計収入は57.0%、金融資産は61.0%、非金融資産は88.7%、総資産は84.6%であり、収入・資産の分布は大きく歪んでいる。
◆格差縮小を目的とした税制改革の議論では、(1)所得税基礎控除額のさらなる引き上げ(免税となる所得層の拡大)と累進課税における最高税率の引き上げ(現行の最高税率は45%)、(2)上海市と重慶市でテスト導入されている高級住宅に対する不動産税の全国展開、などが取り沙汰されるが、より抜本的な改革として、相続税(遺産税)の導入なども検討されるべきであろう。
◆格差縮小を目的とした税制改革の議論では、(1)所得税基礎控除額のさらなる引き上げ(免税となる所得層の拡大)と累進課税における最高税率の引き上げ(現行の最高税率は45%)、(2)上海市と重慶市でテスト導入されている高級住宅に対する不動産税の全国展開、などが取り沙汰されるが、より抜本的な改革として、相続税(遺産税)の導入なども検討されるべきであろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
中国:力不足、あるいは迷走する政策と景気減速
依然不透明なトランプ関税2.0の行方
2025年08月22日
-
中国:年後半減速も2025年は5%前後を達成へ
不動産不況、需要先食い、トランプ関税2.0の行方
2025年07月22日
-
中国:内巻(破滅的競争)と上乗せ関税の行方
追加関税大幅引き下げでも製造業PMIは50割れが続く
2025年06月24日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
-
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
-
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
-
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日