日銀のETF売却とスチュワードシップ責任

超長期投資家となる日銀のスチュワードシップ責任の果たし方

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  • 調査本部 フェロー兼エグゼクティブ・サステナビリティ・アドバイザー 塩村 賢史

サマリー

◆今の日本銀行(日銀)のETF売却案では、簿価ベースでの売却を厳格に実施しない限り(時価ベースの売却額を適宜調整しない限り)、日銀が保有するETF残高は時価ベースでは減らずに、むしろ増加していく可能性もある。

◆時価ベースの売却ペースを柔軟に調整したとしても、超長期に亘って日銀が日本企業の大株主であり続けることには変わりがない。日銀が超長期投資家として、スチュワードシップ責任を果たすことで、「市場のリスク・プレミアム」の低下と日銀のバランスシートの健全化が期待できる。

◆日銀のスチュワードシップ責任の果たし方としては、日銀が保有するETFを運用する投資信託会社のスチュワードシップ評価を行い、その評価に基づき年間の売却先を決定するというような方法などが考えられよう。

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