グロース市場版「PBR改革」の要請

停滞脱却に向けたグロース市場改革

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サマリー

◆東京証券取引所(東証)で2025年2月18日に「市場区分の見直しに関するフォローアップ会議」の第20回が開催された。今回は、(1)「資本コストや株価を意識した経営」に関する取組みについて、(2)MBO(Management Buyout)・支配株主による完全子会社化に関する企業行動規範の見直しについて、(3)グロース市場における今後の対応について、(4)経過措置適用会社の状況について、議論が行われた。

◆(1)では、これまでの一連の施策の評価や効果を確認するために、上場会社向けのアンケートを2025年3月に実施することが公表された。投資家などへの情報提供体制の整備が企業行動規範の「遵守すべき事項」に規定されることも取り上げられた。

◆(2)では、MBO・支配株主による完全子会社化に関する企業行動規範の対象範囲がその他関係会社による完全子会社化にまで拡大する。また、該当する取引が公正であることを示すために「一般株主にとって公正であることに関する意見」の入手が義務化される。

◆(3)では、グロース市場の上場会社に「高い成長を志向する経営」の実施が提案された。これは、プライム市場などに要請されている「資本コストや株価を意識した経営」、巷では「PBR改革」と言われている取組みのグロース市場版ともいうべきものである。これまで議論されてきた上場維持基準などの見直しに関する施策は次回の会議で東証から示される予定である。

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