「資本コストなどを意識した経営」に関する開示促進を議論

開示会社一覧表作成、工程・時間軸公表の要請、開示内容の精査など

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サマリー

◆東京証券取引所(東証)で「市場区分の見直しに関するフォローアップ会議」(フォローアップ会議)の第11回が開催され、2023年3月に東証から公表された「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」(「資本コストなどを意識した経営」)のフォローアップ方法が議論された。

◆7月中旬時点での東証による集計では、「資本コストなどを意識した経営」に関する開示を行った会社はプライム市場では31%、スタンダード市場では14%であった。PBRが1倍未満で時価総額が大きい会社ほど開示が進んでおり、PBR1倍以上で時価総額が小さい会社では相対的に開示が進んでいない状況が浮き彫りになった。

◆フォローアップ会議では、開示や取組みを促進させるために、開示会社の一覧表の作成や、未開示・開示検討中とする会社に工程・時間軸の公表、取組み内容の精査を要請することなどが提案された。今後は、上場会社の開示状況を分析しながら、開示や取組みを促進させるためのガイダンスを、実態に即して、きめ細やかに行っていくことになりそうである。

◆その他、「株主との対話の推進と開示」のフォローアップ、グロース市場の機能発揮に向けた対応方針についても議論が行われた。

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