PBR1倍超の会社の「資本コストなどを意識した対応」の内容

資本効率のさらなる改善に向けた取組みの開示が見られる

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サマリー

◆東京証券取引所(東証)の「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について」は、PBR1倍未満の会社にだけでなく、PBR1倍超の会社に対してもなされている要請である。PBR1倍超の会社にとっても東証の要請に応えることは重要であり、投資家もPBR1倍超の会社の取組みに期待している。

◆2018年から2022年の5年間で継続してPBRが1倍を超えている792銘柄を調査したところ、現時点で東証の要請に応えた何らかの開示をしている会社は1割程度である。

◆本要請では「資本収益性・資本コスト」や「市場評価(時価総額・PBRなど)」の分析と改善計画の作成などが求められている。資本効率改善に向けてキャッシュの保有水準など最適な資本構成を検討する会社が見られる一方、「市場評価」に言及する会社は少ない。

◆また、現在、開示を検討中で準備が整い次第開示するとしたり、開示時期を2024年3月末と明言したりする会社もある。

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