米国における金融不安に対する中央銀行の対応

BTFPで債券の満期保有継続を支援

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サマリー

◆2020年以降、米国銀行のバランスシートでは、負債側で預金がトレンドを上回る形で増加する一方、資産側では、貸出の割合が低下し、債券保有の割合が上昇した。シリコンバレーバンクの破綻は、預金者の構成の偏りなどによる資産負債総合管理(ALM)の失敗によるものであるが、同行に見られた保有債券のリスクの問題点については、他の銀行も再評価する必要がある。

◆現在のように金融政策が引締め方向にある環境では、金融引締めと金融不安に対処する金融安定化政策との間でうまくバランスを確保することが求められる。金融安定化政策は、「金融システム不安が長い目でみて物価の安定を脅かす」ことを回避する政策として位置づけられるだろう。

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