2022年12月29日
サマリー
◆米国のESG投資支援団体であるUS SIFが最近公表した調査では、米国のESG投資残高が前回(2020年)調査の17.1兆ドルから、8.4兆ドルに半減したという。
◆調査方法の変更と、SECによるESG投資適正化政策の影響によって、実体の疑わしいESG投資が残高にカウントされなくなったものと推察される。
◆世界最大のESG投資残高であった米国でこのような変化が見られたことは、もともとのESG投資残高調査の信頼性を疑わせる恐れがある。
◆US SIFのデータは、日本の官庁等においてもESG投資残高の国際比較などでたびたび利用されている。信頼性が疑われるデータが政策立案に影響しているとすれば、現在の日本におけるESG投資促進策の在り方も改めて問われるのではないか。
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