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マイナス金利政策の波及経路を再強化

日銀は補完当座預金制度の見直しで金融政策の持続性を確保

金融調査部 研究員 中村 文香

サマリー

◆2021年3月の金融政策決定会合で、日本銀行(日銀)は補完当座預金制度を見直すことを発表した。2016年の日銀当座預金(日銀当預)の階層構造導入から5年を経て明らかになった課題に対応し、今後の金融政策の実効性を高めるための見直しだ。

◆具体的には、①基準期間から日銀当預残高が増加し、ネット利払いが常態化しているケースの発生、②マクロ加算残高未利用分の増加、③マクロ加算残高に占める基準比率による調整部分の縮小、への対応である。

◆今回の見直しは、短期金融市場に対して政策効果を波及させる手段をメンテナンスしたと考えた方がよいだろう。裁定取引等が活発化した結果、政策金利残高が圧縮され、金融機関全体の日銀当預への利息のプラス幅が増える可能性はあるが、金利収入による直接的な収益押し上げ効果は大きくない。

◆短期金融市場をマイナス金利に誘導する手段が再強化されたことにより、今後仮にマイナス金利を深掘りしたとしても、政策金利残高を圧縮するための素地を整えることができたといえる。利下げがなく、マクロ加算残高が膨らみ続けた場合にも、政策金利残高を一定程度に保つ手段ができたので、これまで通りの政策運営が可能になった。まさに「より効果的で持続的な金融緩和を実施していく」という目的に沿った見直しであったと総括できそうだ。

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