2020年09月28日
サマリー
◆ASEAN主要国(シンガポール、マレーシア、タイ、インドネシア、フィリピン)では、新型コロナウイルス感染の拡大に対し、政策金利の引き下げ、低利融資スキームの新設、個人や中小企業等に対する債務返済猶予、休業者等に対する給付金等の施策を講じたことで、足下の為替・債券・株式市場は落ち着いている。
◆しかし、銀行部門では、貸倒引当金を大幅に積み増したことで、上半期の当期利益は前年同期の5~7割の水準に留まった。新型コロナウイルスの影響が長期化し、銀行部門の収益性や財務の健全性が更に悪化する場合、ASEAN主要国の通貨安や長期金利の上昇が進む可能性が懸念されよう。
◆ASEAN主要国に進出している日系企業の多くは、内部留保の切り崩し等で、この半年間の資金繰りを乗り越えている。但し、景気回復までの時間が長期化するにつれ、日本の親会社に資金支援を求める傾向が強まると予想される。
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