2020年07月14日
サマリー
◆新型コロナの影響が日本の金融市場・経済に大きな影を落とす中、政府と日本銀行は緊急経済対策や金融緩和の強化など各種政策を相次いで打ち出してきた。本稿では、そのうち企業の資金繰り対策を中心とする企業金融支援策に関して、政策の全体像や効果を整理するとともに、今後の主な論点を取り上げる。
◆政府は、新型コロナという未曽有の危機に対して過去に例のない巨額の企業金融支援策を打ち出し、企業部門を全力で支える姿勢を示したと評価することができる。また、過去最大規模に膨らんだ財政投融資計画額も大きな焦点だ。日本銀行が今回新たに導入した新型コロナオペの規模は、2008年のリーマン・ショック後に導入された企業金融支援特別オペを大幅に上回る。
◆今後の主なポイントは、以下の4点である。第一に、企業金融支援策のスピード感であり、政府には手続きやシステム面の改善等を通じて政策のスピード感を可能な限り高めることが求められる。第二に、今後、企業の資金繰り環境で明暗が分かれると見込まれる中、「資本性資金」の活用が重要となり得る。第三に、金融機関の財務悪化リスクに注視が必要である。第四に、企業金融支援策の「出口戦略」を政府と日本銀行がいかにスムーズに進めるのかという点にも注目したい。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
同じカテゴリの最新レポート
-
CGコード改訂案に揺れる「現預金」の位置付け
機関投資家と上場会社で認識のズレが露呈
2026年03月18日
-
東証、オーナー企業の実態開示を拡充へ
資本関係、人的関係、経営関与の有無
2026年03月12日
-
発行体視点で考えるTOPIX改革
TOPIX除外は企業のIR・SRに影響、2027年10月の再評価は超重要
2026年03月09日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
-
理系進路選択に対する男女差の要因分析
女性の理系人材を増やすには、より早期段階での介入や対応が必要
2026年02月06日
-
2026年の東証改革の方針
上場会社の質の向上と新陳代謝を促進する市場機能の強化
2026年02月02日
-
高市政権の財政政策は更なる円安を招くのか
財政支出の拡大ショックは翌年の円安に繋がる
2025年12月18日
-
第228回日本経済予測
第2次高市政権の重点政策、どう進めるか①外国人労働者受け入れ、②消費減税/成長・危機管理投資、を検証
2026年02月20日
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
理系進路選択に対する男女差の要因分析
女性の理系人材を増やすには、より早期段階での介入や対応が必要
2026年02月06日
2026年の東証改革の方針
上場会社の質の向上と新陳代謝を促進する市場機能の強化
2026年02月02日
高市政権の財政政策は更なる円安を招くのか
財政支出の拡大ショックは翌年の円安に繋がる
2025年12月18日
第228回日本経済予測
第2次高市政権の重点政策、どう進めるか①外国人労働者受け入れ、②消費減税/成長・危機管理投資、を検証
2026年02月20日

