2020年04月06日
サマリー
◆2020年に入り、新型コロナウイルスによる感染症の影響がグローバル金融市場および世界経済を大きく揺るがす中、日本企業を取り巻く金融環境は一変した。本稿では、2020年4月初めに公表された2020年3月の日銀短観の結果について、過去2回の景気後退期の状況を踏まえつつ、企業金融分野の中で注目度の高い「資金繰り判断DI」を中心に考察する。
◆2020年3月の日銀短観の「資金繰り判断DI」は、調査の回答時期の影響もあり、低下幅が限定的なものにとどまった。ただし、資金繰り判断DIの最終的な低下幅は、1990年代後半と2000年代後半の景気後退期を大きく上回る可能性がある点には、少し注意しておきたい。
◆企業の資金繰りを巡る今後の注目点として、主に、①政府の緊急経済対策に盛り込まれることが期待される中小企業の資金繰り対策、②企業の資金繰り悪化の直接的な要因である需要減少を食い止めるための需要刺激策、③新型肺炎の感染対策の進展度合い、が挙げられる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
他市場にも波及する?スタンダード市場改革
少数株主保護や上場の責務が問われると広範に影響する可能性も
2025年12月03日
-
CGコードでの現預金保有の検証に対する上場会社の懸念
一見対立しているようだが、通底する投資家と会社側の意見
2025年11月07日
-
非上場株式の発行・流通を活性化する方策
「スタートアップ企業等への成長資金供給等に関する懇談会」が報告書を公表
2025年10月29日

