依然気がかりな米銀のケイマン諸島向け与信

BIS国際銀行統計(2019年第1四半期)

RSS
  • 坂口 純也

サマリー

◆BIS(国際決済銀行、Bank for International Settlements)によれば、2019年3月末の国際与信残高は27.0兆ドルと、2018年12月末から1.2兆ドル増加した。

◆国際与信残高は米銀・欧銀・邦銀ともに増加した。米銀はケイマン諸島、欧銀・邦銀はフランスなどへの与信を伸ばしている。米銀のケイマン諸島に対する与信は2017年末から急速に増加を続けている。実態は定かではないものの、ケイマン諸島の債務がより金利に感応的になっているなど思わぬリスクが蓄積している可能性が考えられる。

◆【BOX:ヘッジ付日本国債投資】対日政府部門への与信の増加が続いている。背景には、ドルの持ち手にとって米国債への投資よりも、ヘッジ付日本国債への投資により投資妙味のある状態が長期・超長期の国債も含めて続いていることがある。結果として日本の超長期金利が下押しされていると考えられる。

このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。

執筆者のおすすめレポート