2018年11月14日
サマリー
◆BIS(国際決済銀行、Bank for International Settlements)によれば、2018年6月末の国際与信残高は26.2兆ドルと、2018年3月末に対して▲0.7兆ドルと減少した。ドルが他の通貨に対して増価したことによる為替変動の要因が大きい。
◆財政問題により金利の上昇が見られたイタリアに対する国際与信残高のうち、フランスの銀行からの与信が約半分を占めている。それらの銀行では足元でのイタリア国債の価格低下に伴う評価損が大きい可能性がある。
◆邦銀の国際与信残高は、4四半期ぶりに減少し、4.0兆ドルとなった。地域別に見ると、米国向け与信の減少幅が最も大きく、新興国向け与信はほぼ横ばいであった。新興国においては、現地向け(現地における現地通貨建て)与信が増えている。
◆新興国向けのドル建てクロスボーダー債権残高の前期からの減少幅は2009年以来の水準となったが、残高が減少した国は少数の国に偏っていた。ただし、新興国において2019年以降にドル建て債券の償還額が大きくなることが予想されており、今後「ドル不足」が顕在化する可能性もある。
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