2018年01月12日
サマリー
◆銀行カードローンやアパートローンは足元で貸出残高を伸ばしており、その動向が注目されている。業態別の貸出残高は、都市銀行等ではカードローン等、地方銀行や第二地銀ではアパートローンの比率が相対的に高い。
◆銀行カードローン等残高の純増幅は、全銀協の自主規制策等を背景に2017年第3四半期で縮小している。カードローン等の借入目的は、生活資金の補てんが最も多く、借入を肯定的に捉える消費者も一定数いる。借り手についての理解を深めた上で、「近視眼的行動バイアス」が強い借り手による過剰な借入をいかに抑制するかが今後の課題と考えられる。
◆地域銀行を中心にアパートローンの残高が増加する一方で、全国の空き家率は20%弱と高い水準にある。将来の世帯数の減少が予測されているにもかかわらず、例えば、秋田・香川・徳島など、貸家向けの新設着工戸数の増加率が全国平均を大きく上回る地域もあり、今後の更なる空き家率の上昇に伴うアパートの収益率の悪化等のリスクがあると考えられる。
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