貸出支援基金の現状と今後

順調に増加する貸付残高、再延長・拡充はあり得るか

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サマリー

◆2015年1月、日本銀行の金融政策決定会合で貸出支援基金の延長・拡充が決定した。具体的な内容は、①2015年3月31日に設定されていた新規貸付の受付最終期日を1年延長すること(それに伴い基金の廃止日等も1年延長)、②対象金融機関毎の上限を1兆円から2兆円へ、貸付残高の上限を7兆円から10兆円にそれぞれ引き上げること、③日本銀行の非取引先金融機関が各々の系統中央機関を通じて制度を利用し得る枠組みを導入すること、の3点である。


◆貸出支援基金の残高は2015年1月末の時点で24.7兆円に達した。予定通りにいけば、2016年3月末に新規受付を終了し、2020年6月末に基金は廃止となる。ただし、日本銀行が掲げる「2%の『物価安定の目標』の実現」の達成は早くとも2016年度以降とみられる。今後の物価見通し次第ではあるが、貸出支援基金の再延長・拡充もしくは残高を維持する等の施策が講じられる可能性もあるだろう。

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