2014年09月18日
サマリー
◆我が国は世界第一位の純資産国(債権国)といわれている。しかし、その対外資産・負債の現状をみると、必ずしも前向きに評価することはできない。本稿では、我が国の対外資産・負債の現状と、そこからみえる主な課題について取り上げることとする。
◆2013年末時点の対外純資産は、外貨建て資産が円安により円評価が高まったことを主因に、325.0兆円と過去最大の規模となった。対外資産は797.1兆円、対外負債は472.1兆円となり、いずれも過去最大の規模となった。
◆対外資産・負債残高の増減からみえることとして、以下の4点があげられる。第一に、為替相場変動による調整要因が対外純資産の増減幅を拡大させていること。第二に、対外資産の運用パフォーマンスからみて、対外資産の構造変化が生じつつあること。第三に、我が国の対内直接投資の現状からみると少なからず課題が残っていること。第四に、対外純資産の状態は、「貯蓄から投資へ」を誘導する政策が必要であるというシグナルであるといえること。
◆対外資産・負債、特に直接投資の動向は、依然として資本自由化の利益を十分に享受しきれていない我が国の将来の経済成長を見極める上で重要な鍵であると考えられる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
同じカテゴリの最新レポート
-
東証市場区分見直し後の現状と課題
「成長」以外にグロース市場の課題解決の道はなし
2026年09月09日
-
東証改革、上場会社から投資家にも対象拡大
企業に求めた改革、次は投資家の対話姿勢へ
2026年09月02日
-
データが語るコーポレートファイナンス No.2 一括取得型自己株式取得(Accelerated Share Repurchase):採用企業の特徴と効果
コミットメントによる柔軟性低下を許容できる企業で利用が進む
2026年09月01日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2026年ジャクソンホール会議の注目点は?
ウォーシュ議長はインフレ抑止に対する姿勢を明確に打ち出すか
2026年08月20日
-
“TACO”指数で読む トランプ大統領の“TACO”化の兆し
市場と世論が映す政策転換のサイン
2026年08月13日
-
高市政権誕生後の長期金利をどうみるか
2035年に3.3~4.0%程度で、海外保有拡大で更なる上昇も
2026年08月12日
-
第230回日本経済予測
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年08月21日
-
GPIFガバナンス改革の功罪と課題解決の道
目先の運用見直しの可能性は低いが、硬直的運用への対応が課題
2026年08月13日
2026年ジャクソンホール会議の注目点は?
ウォーシュ議長はインフレ抑止に対する姿勢を明確に打ち出すか
2026年08月20日
“TACO”指数で読む トランプ大統領の“TACO”化の兆し
市場と世論が映す政策転換のサイン
2026年08月13日
高市政権誕生後の長期金利をどうみるか
2035年に3.3~4.0%程度で、海外保有拡大で更なる上昇も
2026年08月12日
第230回日本経済予測
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年08月21日
GPIFガバナンス改革の功罪と課題解決の道
目先の運用見直しの可能性は低いが、硬直的運用への対応が課題
2026年08月13日

