2026年10月26日
サマリー
米国の大手金融機関では、バランスシートを使わない資本ライトなアセット・ウェルスマネジメント(AWM)部門の強さが、企業価値の差の要因となっている。その背景には米国国内の富裕層市場の拡大と、世帯の2.6%が金融資産の54%を占めるという金融資産の集中、そして2048年までに総額124兆ドル(うち相続人へ105兆ドル)が次世代へ移転するという資産承継がある。米国のAWMビジネスモデルは投資銀行型と商業銀行型に区分できる。前者は職域サービスとバンキング機能の強化を通じて見込み客を囲い込む。モルガン・スタンレーの銀行子会社は富裕層に特化した“WM専門銀行”として、使用資本を低く抑えた競争力の高いモデルを確立している。後者は預金口座の資金の流れを把握しながら、マス顧客を含む幅広い層を対象に将来の見込み客をグリップする。日本のメガバンクは商業銀行型を、大手総合証券会社は投資銀行型を目指している。日本は預金比率47%という資産構成を抱え、資産集中がなお進む局面にある。本稿は米国両モデルの比較を踏まえ、顧客基盤、CIO機能、キャプティブAM、PB機能、デジタル基盤の5要素から、日本版米国型AWMビジネスモデル創出の条件を探る。

大和総研調査本部が長年にわたる知識と経験の蓄積を結集し、的確な現状分析に基づき、将来展望を踏まえた政策提言を積極的に発信していくとのコンセプトのもと、2011年1月に創刊いたしました。
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