2024年01月24日
サマリー
地域銀行は企業価値経営に向けた取り組みの本格的な議論を進めている。そこでは企業価値経営の開示への対応だけではなく、企業価値経営を組織全体に浸透させていくための対応が含まれている。企業価値経営とは、簡単に整理すれば、PBR(株価純資産倍率)の向上に向けて、純利益の安定化を図ることでROE(株主資本収益率)を改善するとともに、中長期的な企業価値向上の道筋をつけることでPER(株価収益率)を上昇させていくことである。特に地域銀行のROE向上に向けては、銀行部門のリスクアセットに対する投資効率を最大化する必要がある。その軸となる指標がRORA(リスク資産収益率)であり、ROEとの相関は高い。PERの向上に向けては、要求される資本が小さい手数料ビジネス(証券ビジネス等)の強化および新規事業等への戦略的投資が、連結ベースの純利益を安定させるために必要となる。ただし、今後、金利が上昇してリスク管理の高度化の重要度が増す中、RORAを軸とする収益管理に向けた準備は、大手の地域銀行でも万全とは言えない。このため、インオーガニックに(他社との提携・買収を通じて)企業価値経営を目指すことが地域銀行にとってなによりも重要な戦略となるのではないか。

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