2019年10月02日
サマリー
◆地銀の店舗は存在意義が低下している一方で削減はあまり進んでいない。ただし、店舗の動向を理解するには単純な店舗数の増減ではなく、店舗の立地も考慮する必要がある。
◆こうした問題意識のもと、本稿では、地銀の約1万店舗をミクロな空間情報に基づいて定量的に分析した。結果として、地銀の店舗の立地は主に①中心市街地、②中心市街地の外縁や中規模な市街地、③郊外や町村の中心地、④非居住地域、に分類できた。その上で、地銀は相対的に②や③の地域で店舗を廃止し、①の地域で店舗を新たに開設してきていたことが明らかになった。この背景にはコスト削減と新たな顧客接点の獲得があると考えられる。
◆厳しい事業環境に直面する地銀にとって店舗戦略はより重要性を増してくる。今後の地銀の店舗戦略は、地域の市場特性を詳細かつ正確に把握し、店舗の量・質の両側面から既存のネットワークの付加価値を保ちつつ効率化を図ることが重要だと考えられる。
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