2017年09月01日
サマリー
“地域金融エコシステム”の再構築とは何であろうか。
簡単に言えば、地域経済および地域社会・コミュニティの活性化・持続可能性を高めるために、あるいは地域内の資金を末端まで循環させるように、地域金融のエコシステム、つまり「地域金融における資金供給側と資金需要側をつなぐ経路(=金融商品を中心とした『資金調達ビークル』とそれを販売する仲介業者)の体系」を構築し直そうということである。
地域における資金需要者は、少子高齢化による地域経済の縮小に伴い、これまでの経済的な目的による資金調達だけではなく、社会問題を解決するための資金調達(ソーシャル・ファイナンス)が徐々に増えていると考えられる。このため、資金需要者は多様化、細分化、小規模化し、金融(資金)仲介業者は、ブロックチェーン等の先端的な技術を活用することによって多様化し始めている。地域銀行が、地域経済を活性化させるために地域金融の中心的役割を担うことは重要ではあるものの、ソーシャル・ファイナンスにまでコスト負担を求めることには議論の余地があろう。地域の社会的課題を解決するための、様々な資金を効率的かつ効果的に循環させるためには、仲介業者の多様化が必要ではないか。
大和総研調査本部が長年にわたる知識と経験の蓄積を結集し、的確な現状分析に基づき、将来展望を踏まえた政策提言を積極的に発信していくとのコンセプトのもと、2011年1月に創刊いたしました。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
日本のウェルス・アセットマネジメントビジネスの方向性
~米欧と同じ付加価値を追求しているか~『大和総研調査季報』2025年春季号(Vol.58)掲載
2025年04月24日
-
米国ウェルスマネジメント市場発展の経緯と今後の展望
~付加価値追求とインセンティブの調和~『大和総研調査季報』2025年新春号(Vol.57)掲載
2025年01月24日
-
日本のウェルスマネジメント市場のポテンシャルを探る
~大和総研「日本経済中期予測」に基づく将来推計~『大和総研調査季報』2024年秋季号(Vol.56)掲載
2024年10月24日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
トランプ関税で日本経済は「漁夫の利」を得られるか?
広範な関税措置となっても代替需要の取り込みで悪影響が緩和
2025年03月03日
-
地方創生のカギとなる非製造業の生産性向上には何が必要か?
業種ごとの課題に応じたきめ細かい支援策の組み合わせが重要
2025年03月12日
-
中国:全人代2025・政府活動報告を読み解く
各種「特別」債で金融リスク低減と内需拡大を狙う
2025年03月06日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
トランプ関税で日本経済は「漁夫の利」を得られるか?
広範な関税措置となっても代替需要の取り込みで悪影響が緩和
2025年03月03日
地方創生のカギとなる非製造業の生産性向上には何が必要か?
業種ごとの課題に応じたきめ細かい支援策の組み合わせが重要
2025年03月12日
中国:全人代2025・政府活動報告を読み解く
各種「特別」債で金融リスク低減と内需拡大を狙う
2025年03月06日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日