地域金融エコシステムの再構築へ

~地域金融の担い手が本格的に多様化する時代が始まるか~『大和総研調査季報』 2017年夏季号(Vol.27)掲載

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サマリー

“地域金融エコシステム”の再構築とは何であろうか。


簡単に言えば、地域経済および地域社会・コミュニティの活性化・持続可能性を高めるために、あるいは地域内の資金を末端まで循環させるように、地域金融のエコシステム、つまり「地域金融における資金供給側と資金需要側をつなぐ経路(=金融商品を中心とした『資金調達ビークル』とそれを販売する仲介業者)の体系」を構築し直そうということである。


地域における資金需要者は、少子高齢化による地域経済の縮小に伴い、これまでの経済的な目的による資金調達だけではなく、社会問題を解決するための資金調達(ソーシャル・ファイナンス)が徐々に増えていると考えられる。このため、資金需要者は多様化、細分化、小規模化し、金融(資金)仲介業者は、ブロックチェーン等の先端的な技術を活用することによって多様化し始めている。地域銀行が、地域経済を活性化させるために地域金融の中心的役割を担うことは重要ではあるものの、ソーシャル・ファイナンスにまでコスト負担を求めることには議論の余地があろう。地域の社会的課題を解決するための、様々な資金を効率的かつ効果的に循環させるためには、仲介業者の多様化が必要ではないか。


大和総研調査季報 2024年秋季号Vol.56

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