2012年02月15日
サマリー
◆銀行の積極的な国債投資の気運が拡がっている。この要因のひとつとして銀行の金利リスク量を示すアウトライヤー比率の低下が寄与しているといわれる。
◆但し、アウトライヤー比率の低下は単なる計測基準の“テクニカル”な要因に過ぎない。実際に日本の大手6行の国債保有残高の総計は3年半で約2.5倍というスピードで増加しており、実態の金利リスク量を表現しているかは疑問も残る。
◆名目的な金利リスク量が低下する中で、更なる国債投資を継続する銀行の姿は、現代病を患う人とよく似ている。“投資から預金”へ流れる預金増加に対して、消去法的な国債投資のスタンスからの脱却が、今後の銀行経営の舵取りの鍵となるであろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
同じカテゴリの最新レポート
-
欧州投資家保護規制強化とAM・WM業界への影響
~規制対応からビジネスモデルの変革へ~『大和総研調査季報』2025年秋季号(Vol.60)掲載
2025年10月24日
-
金利上昇下における預金基盤の重要性の高まり
~預金を制するものは金融業界を制す~『大和総研調査季報』2025年夏季号(Vol.59)掲載
2025年07月24日
-
地方銀行の越境再編
その土台にある地域経済圏の再構築
2025年07月11日

