リサイクル(Recycle:再資源化)は、環境と経済が両立した循環型社会を形成していくためのキーワードの一つとされており、リデュース(Reduce:廃棄物の発生抑制)、リユース(Reuse:再使用)と合わせて、3Rと呼ばれている(※1)。循環型社会形成推進基本法(循環基本法)では、「循環的な利用」とは、「再使用、再生利用及び熱回収」とされており、「再生利用」は、「循環資源の全部又は一部を原材料として利用すること」と定義されている。リサイクルについては、資源有効利用促進法(改正リサイクル法)のほか、個別物品の特性に応じた以下の各法が定められており、2013年4月から小型家電リサイクル法が施行され、主要な循環資源に関するリサイクル体制の一層の整備が進められている。

しかし、現実の製品に使用される原材料は、混合、化合、接合などにより多様な状態になっていることが多く、単一の素材に分別することは必ずしも容易ではない。また、製品の使用に伴う異物の混入、汚染や劣化などによって、回収時の状態が均一でなく、再生品の品質が低下する懸念もある。さらに、再生品市場が未整備である場合や再生品価格が著しく低い場合には、回収や再生が事業として成り立たず、補助金などによる社会的負担が発生する可能性もある。回収や再生に要するエネルギーが、新品の製造にかかるエネルギーを上回る場合には、リサイクルすることが、かえって環境負荷を増大させることも考えられる。
2013年5月に閣議決定された第三次循環型社会形成基本計画(※2)は、リサイクルについて、「元の製品の品質には戻らず、品質の低下を伴うリサイクルが行われることが多く、リサイクル費用の削減も大幅には進んでいないことが多いと考えられる」との認識を示している。そのため、「天然資源の消費を抑制し、環境への負荷をできる限り低減していくためには、リサイクルに先立って、2R(リデュース、リユース)を可能な限り推進することが基本とされなければならない」としており、容器包装や食品ロスの削減、健全なリユース市場の拡大、2Rを目標とした製品づくりやサービスの提供などが求められている。
(※1)「3R政策」経済産業省
(※2)「第三次循環型社会形成推進基本計画の閣議決定及び意見募集(パブリックコメント)の結果について(お知らせ)」(平成25年5月31日;報道発表資料)環境省
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