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モーダルシフト

2010年02月01日

モーダルシフトは輸送・交通手段の転換を図ることである。一般的には、トラックや航空機による貨物輸送を鉄道や船舶に、自家用車を公共交通機関に、といったように、より環境負荷の少ないものに代替することを指す(図表1)。


図表1 2011年度 輸送量当たりの二酸化炭素の排出量(貨物)
図表1 2011年度 輸送量当たりの二酸化炭素の排出量(貨物)
(出所)国土交通省「運輸部門における二酸化炭素排出量」

近年の日本において運輸部門のCO2排出量は全体の約2割を占めており、京都議定書の基準である1990年と比べると5%以上増えている。貨物輸送、旅客輸送の双方で、自動車の割合が高い(図表2)。モーダルシフトを実現すれば、自動車輸送の減少によるCO2の削減が期待される。また交通渋滞の緩和にもつながり、それによるCO2のさらなる削減も期待される。


図表2 2009年度 輸送機関別輸送分担率
図表2 2009年度 輸送機関別輸送分担率
(出所)国土交通省 「交通関連統計資料集」を基に大和総研作成

物流分野のCO2排出削減に向けた自主的な取り組みの拡大を目的として、荷主企業と物流事業者が広く連携していくための「グリーン物流パートナーシップ会議(※1)」が平成17年に発足した。事例集の公開や、物流分野における地球温暖化対策に顕著な功績があった取り組みによる優良事業者表彰などを行っている。


モーダルシフトは、さまざまな手法と組み合わせることでCO2削減策として機能し、さらにコスト削減や地域活性化に結びついている例もある(図表3)


図表3 モーダルシフト推進事例
ポイント 課題 事例
輸送分野 荷主企業と物流企業の連携 船舶⇔鉄道、鉄道⇔トラックといった積み替え時のコンテナサイズの違いが、積載量の低下や納期の増加に 鉄道事業者や通運事業者と協力して、国際標準サイズである海上コンテナに合わせた鉄道コンテナを開発

積載効率を落とさないようにすることで鉄道へのモーダルシフトを増やした(注1)
納期に関する意識変革 発注者・受注者ともに、納期短縮がサービス向上の至上命題という先入観 発注者の希望納期と輸送区間に応じて適切な輸送手段・納期を選択できるシステムを開発

納期は「受注後2日、3日、4日の3パターン」から選択でき、4日以上納品の注文に対してはモーダルシフトを適用 した(注1)
交通分野 利便性向上につながるサービスの提供 運行本数の少なさなど、利便性の低い鉄道の利用率低下 LRT(Light Rail Transit、新型路面電車)に変更 、LRTと併走するバス路線も廃止

運行本数の増便、終電時刻の改善、バリアフリーの低床車両、ICカード化などにより利便性が高まった結果、車・バイクから乗り換えた新規利用者や高齢者の利用が増えた(注2)
所有から利用へ、の意識変革 鉄道との連携不足、サービス提供箇所の偏在、個人・法人の加入割合の不均衡、加入前マイカー保有世帯と非保有世帯の加入割合の不均衡など 個人:約3割の世帯が減車、公共交通網の充実している都心部において自動車走行距離減少効果が大きい

法人:走行距離やCO2 排出量については明確な変化は把握できなかったが、業務先など着地側でパーク&ライド利用とみられる実態あり

個人約500件、法人約300件のアンケート回答による(注3)

(注1)資源エネルギー庁 「省エネ法(荷主に係る措置)について」の「荷主企業の取組事例紹介」
(注2)第6回 大和総研・経営戦略研究所セミナ- 「基調講演『公共交通活性化とコンパクトシティ』」と「同 資料1」(2009年2月3日)、東洋経済 2008/4/19特大号 「特集 鉄道革命『クルマの代わりはLRT 路面電車で街の価値を上げた富山』」
(注3)交通エコロジー・モビリティ財団 平成25年2月「カーシェアリングによる環境負荷低減効果の検証報告書」
(出所)各種公開資料を基に大和総研作成

(※1)世話人は杉山武彦一橋大学学長(所属・役職は当時)、主催は日本ロジスティクスシステム協会、日本物流団体連合会、経済産業省、国土交通省、協力は日本経済団体連合会

(2010年2月1日掲載)
(2013年7月22日更新)

 

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