1992年の6月に、172ヶ国の政府代表や国際機関などが参加して、ブラジルのリオデジャネイロで開催された国連会議。地球温暖化などの地球環境問題を人類共通の課題と位置づけ、「持続可能な開発」という理念のもとに多様な問題について議論され、以下に示すようないくつかの重要な合意が成立している(※1)。日本では、この年の7月から環境基本法の制定に向けた検討が開始され、翌93年の11月に同法が成立している。
1.環境と開発に関するリオ宣言
1972年の国連人間環境会議で採択された人間環境宣言(ストックホルム宣言)を再確認するとともに、新しい公平な地球的規模のパートナーシップを構築することを目標として、27項目からなる原則が宣言されている。
2.気候変動に関する国際連合枠組条約
先進国と途上国の間に共通だが差異ある責任を認識しながら、温室効果ガス等の排出抑制や吸収源保全などにより、温室効果ガス等の排出を1990年の水準に回帰させ、濃度を安定化させることを目的としている。
3.生物の多様性に関する条約(生物多様性条約)
生物の多様性を包括的に保全するとともに、生物資源を持続的に利用するための国際的な枠組みであり、遺伝資源から生ずる利益の公正かつ衡平な配分も目的としている。
4.全ての種類の森林の経営、保全及び持続可能な開発に関する世界的合意のための法的拘束力のない権威ある原則声明(森林原則声明)
森林の保全・回復及び持続可能な経営に向けた各国の努力や国際協力などについて協議し、森林関係では初めての世界的な合意文書になる。自国資源に対する利用制限を危惧する途上国などの反対も多く、条約等の締結には至らなかった。
5.アジェンダ21
持続可能な開発のための具体的な行動計画として定められ、地方公共団体や地域住民、民間企業、NGOなど様々な主体の参加を求めている。5年後の1997年には、国連環境開発特別総会(UNGASS)が開催され、「アジェンダ21の一層の実施のための計画」が採択されている。アジェンダ21では、地方公共団体が重要な役割を果たすと期待されており、多くの地方公共団体が「ローカルアジェンダ21」を作成して取り組んでいる。
地球サミット開催から10年後の2002年には、アジェンダ21の見直しや新たな課題などについて議論するため、「持続可能な開発に関する世界首脳会議」(ヨハネスブルグサミット)が開催され、「持続可能な開発に関するヨハネスブルグ宣言 」が採択されている。
(※1)「環境白書(平成5年版)」環境省
(※2)「持続可能な開発に関するヨハネスブルグ宣言(仮訳)」外務省
(2012年7月31日掲載)
(2013年7月31日更新)
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