金融機関のGHG排出量算定で注目されるPCAF

PCAFスタンダードの概要

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2022年06月30日

  • ニューヨークリサーチセンター 研究員(NY駐在) 藤原 翼
  • 田中 大介

サマリー

◆PCAF(Partnership for Carbon Accounting Financials)は、投融資を介して間接的に排出されるGHG排出量(Scope3カテゴリ15)の算定・開示基準を策定する組織である。

◆Scope3の開示圧力の高まりから、PCAFが作成したスタンダードが注目され、これを活用する金融機関が増える公算が大きい。その背景として、①TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)やSBTi(Science Based Target Initiative)など、世界的に広く使われている気候変動関連開示の基準で、PCAFスタンダードの利用が推奨されていること、②PCAFが金融機関主導の組織であり、利用者が使いやすいGHG算定基準となっていること、③PCAF Japan coalitionの発足等が挙げられる。

◆2020年11月に正式に公表されたPCAFスタンダードでは、6つのアセットクラスについて算定基準が示され、現在も追加のスタンダードを検討中であり、順次策定される見通しだ。

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