2020年07月21日
サマリー
新型コロナウイルス感染拡大への対応は、感染症対策の強化に加え、社会的弱者の支援、経済対策など多方面から取り組むことが求められる。様々な主体によるコロナ債の発行、機関投資家によるエンゲージメント優先順位の見直しなど、発行体・投資家による取り組みも活発だ。背景として、社会課題の解決に取り組まないと、中長期的な経済成長が阻害され、自らにも跳ね返り得るという認識が広がっていることが考えられる。
今回の新型コロナウイルスにより顕在化・深刻化した社会課題の解決には、ESG投資・社会的インパクト投資の果たす役割が期待される。近年、パリ協定など国際的な動きもあり、ESG投資は特に気候変動問題への対応がフォーカスされてきた。今後は労使関係など社会的側面への関心が高まる可能性がある。社会的インパクト投資に関しては従来非営利組織などを中心に拡大してきたが、ブラックロックのような大手機関投資家が取り組む事例が出てきている。ESG投資や社会的インパクト投資に対し受託者責任の観点から是非を問う声もあるが、今回のコロナ禍は、最終的な資金の出し手(個人)の意識を変え、ESG投資/ 社会的インパクト投資が一層拡大するきっかけとなる可能性がある。

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