2020年07月21日
サマリー
新型コロナウイルス感染拡大への対応は、感染症対策の強化に加え、社会的弱者の支援、経済対策など多方面から取り組むことが求められる。様々な主体によるコロナ債の発行、機関投資家によるエンゲージメント優先順位の見直しなど、発行体・投資家による取り組みも活発だ。背景として、社会課題の解決に取り組まないと、中長期的な経済成長が阻害され、自らにも跳ね返り得るという認識が広がっていることが考えられる。
今回の新型コロナウイルスにより顕在化・深刻化した社会課題の解決には、ESG投資・社会的インパクト投資の果たす役割が期待される。近年、パリ協定など国際的な動きもあり、ESG投資は特に気候変動問題への対応がフォーカスされてきた。今後は労使関係など社会的側面への関心が高まる可能性がある。社会的インパクト投資に関しては従来非営利組織などを中心に拡大してきたが、ブラックロックのような大手機関投資家が取り組む事例が出てきている。ESG投資や社会的インパクト投資に対し受託者責任の観点から是非を問う声もあるが、今回のコロナ禍は、最終的な資金の出し手(個人)の意識を変え、ESG投資/ 社会的インパクト投資が一層拡大するきっかけとなる可能性がある。
大和総研調査本部が長年にわたる知識と経験の蓄積を結集し、的確な現状分析に基づき、将来展望を踏まえた政策提言を積極的に発信していくとのコンセプトのもと、2011年1月に創刊いたしました。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
ISSBがIFRS S2の改正案を公表
温室効果ガス排出量の測定・開示に関する要件を一部緩和
2025年05月16日
-
年金基金のESG投資を実質禁止へ:米労働省
バイデン政権時代に制定されたESG投資促進の規則は廃止へ
2025年05月14日
-
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2025年4月
足元の「トランプ関税」の動きを踏まえ、実質GDP見通しなどを改訂
2025年04月23日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
-
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
-
中国:関税115%引き下げ、後は厳しい交渉へ
追加関税による実質GDP押し下げ幅は2.91%→1.10%に縮小
2025年05月13日
日本経済見通し:2025年4月
足元の「トランプ関税」の動きを踏まえ、実質GDP見通しなどを改訂
2025年04月23日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
中国:関税115%引き下げ、後は厳しい交渉へ
追加関税による実質GDP押し下げ幅は2.91%→1.10%に縮小
2025年05月13日