2016年10月25日
サマリー
◆気候変動問題への対応が重要な政治課題となるなか、資本市場においてもこの問題への関心の高まりが見られる。欧米諸国を中心に、投資家団体の活動や情報開示を求める動きが拡大しているほか、ダイベストメント(投資引き揚げ)やエンゲージメント(投資先企業への働きかけ)が活発化している。
◆ノルウェー政府年金基金が倫理ガイドライン改訂により石炭関連企業からのダイベストメントを決めたほか、米加州では石炭関連企業からのダイベストメントに関する法律が成立し、カルパース、カルスターズにおいても動きが出ている。
◆米国ではこの数年、環境関連の株主提案が増加しており、気候変動はその中心的なテーマになっている。賛成率は低い水準ながらも上昇傾向にあり、ごく僅かながら過半数の賛成を得る議案も出ている。
◆「2℃目標」が実現するかどうかは、各国の政治状況にも左右されるが、資本市場におけるこの問題への関心の高まりは、少なくともその可能性を考えておく必要がある、と考える機関投資家が増えている、ということだろう。
◆日本の機関投資家の間でも、気候変動に関するイニシアチブへの参加機関は増えており、一方で、日本企業が石炭関連企業からのダイベストメントの対象になるケースも出てきている。企業のカーボン・リスク対応は、機関投資家にとって投資先企業の選定基準になりつつあると言えよう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
G20で見過ごされた気候関連財務情報開示
2017年07月21日
-
温室効果ガスに関する投資家動向と開示状況
機関投資家動向とグローバル時価総額上位500社の開示状況
2015年07月08日
-
CO₂排出規制リスクと海外投資家の動向
化石燃料関連企業へのダイベストメント・エンゲージメントの拡大
2015年02月16日
同じカテゴリの最新レポート
-
再評価される土壌炭素隔離とそのクレジット
バリューチェーン内除去や残余排出の中和を見据えた早期関与が重要
2026年03月23日
-
GX-ETS本格稼働で強まるJ-クレジットの早期確保への動き
市場に依存しない、上流(創出)関与と相対・長期での確保が鍵
2026年02月05日
-
人的資本可視化指針改訂で期待される経営戦略と人材戦略の深化
期待される開示の負担軽減と比較可能性の向上
2026年01月23日
最新のレポート・コラム
-
主要国経済Outlook 2026年4月号(No.473)
経済見通し:世界、日本、米国、欧州、中国
2026年03月25日
-
中東情勢緊迫化と軍事費増加は世界経済の重石に
2026年03月25日
-
大和のセキュリティトークンナビ 第4回 社債セキュリティトークンとは?(前半)
社債投資の仕組み、社債セキュリティトークンの特性
2026年03月25日
-
コングロマリット・ディスカウントの再考察
~日本企業の定量分析から読み解く、人的資本経営と企業価値の新関係~
2026年03月25日
-
米国:原油高でも「Drill, Baby, Drill」ではなく「Drill, Maybe, Drill」?
2026年03月25日
よく読まれているリサーチレポート
-
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
-
理系進路選択に対する男女差の要因分析
女性の理系人材を増やすには、より早期段階での介入や対応が必要
2026年02月06日
-
2026年の東証改革の方針
上場会社の質の向上と新陳代謝を促進する市場機能の強化
2026年02月02日
-
高市政権の財政政策は更なる円安を招くのか
財政支出の拡大ショックは翌年の円安に繋がる
2025年12月18日
-
第228回日本経済予測
第2次高市政権の重点政策、どう進めるか①外国人労働者受け入れ、②消費減税/成長・危機管理投資、を検証
2026年02月20日
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
理系進路選択に対する男女差の要因分析
女性の理系人材を増やすには、より早期段階での介入や対応が必要
2026年02月06日
2026年の東証改革の方針
上場会社の質の向上と新陳代謝を促進する市場機能の強化
2026年02月02日
高市政権の財政政策は更なる円安を招くのか
財政支出の拡大ショックは翌年の円安に繋がる
2025年12月18日
第228回日本経済予測
第2次高市政権の重点政策、どう進めるか①外国人労働者受け入れ、②消費減税/成長・危機管理投資、を検証
2026年02月20日

