2013年02月08日
サマリー
平成15年6月に男女共同参画推進本部が決定した「社会のあらゆる分野において、2020年までに、指導的地位に女性が占める割合が、少なくとも30%程度になるよう期待する」という目標の達成に向けて、さまざまな分野で男女共同参画への取り組みが進められている。科学技術の分野でも、多様な視点や発想を取り入れた研究活動を活性化するために、女性研究者の活躍が期待されている。そこで、「平成24年科学技術研究調査(※1)」から、科学技術の分野における男女共同参画の動向を検討してみた。
図表1が、調査の対象となっている企業、非営利団体、公的機関、大学等における男女別の研究者の数と、研究者に占める女性の割合(女性比率)の推移を図示したものである。直近の平成24年では、研究者のうち男性は前年比-0.4%の76万8,000人、女性は前年比+1.2%の12万4,700人とされている。男性研究者が減少したのに対し、女性研究者は増加しており、女性比率は前年より0.2%ポイント増の14.0%となった。
次に、平成15年からの推移をみると、男性研究者数は平成16年と平成18年には前年比で4%程度の増加を示したが、平成19年以降はほぼ横ばいが続いている。また、平成22年と平成24年は前年比でマイナスとなった。一方、女性研究者数は平成16年から増加が続いている。特に、平成18年から20年の各年と22年は前年比で5%前後の増加を示した。これらの状況から、女性比率は平成15年の11.2%から平成24年には14.0%まで連続して上昇している。一方、平成24年の調査で部門別の研究者数をみると、研究者数全体の60%を占める企業の部門では女性比率が7.6%、研究者の35%を占める大学等の部門では24.7%となっており、研究主体によって男女共同参画の状況が大きく異なるようである。

企業の部門における研究者の状況をみるために、産業別の研究者数と女性比率を示したのが図表2である。全産業では研究者数に占める女性の割合が7.6%であるのに対し、農林水産業は女性比率が25.2%と高い。また、情報通信業、卸売業、金融業,保険業も女性比率が10%を超えている。そして、鉱業,採石業,砂利採取業、電気・ガス・熱供給・水道業、運輸業,郵便業は女性比率が5%にも満たず、建設業も5.7%にとどまっている。産業によって女性の活躍の状況が大きく異なっているようである。また、製造業については、中分類で研究者数が10,000人以上の産業についてみると、医薬品製造業と食料品製造業は女性比率が20%を超えており、化学工業も13.9%となっている。化学工業や医薬品など、化学の分野で女性研究者の比率が高い。そして、輸送用機械器具、生産用機械器具、はん用機械器具などの器具を製造する工学系の分野では女性研究者の比率が5%以下となっている。科学技術の分野によって、男女共同参画の状況が大きく異なっている。

平成23年に閣議決定された「第4期科学技術基本計画(※2)」では、日本における女性研究者の割合が諸外国と比較して低い水準にあることを指摘し(※3)、女性研究者の活躍促進に向けた環境整備を行うことを記している。また、国は、自然科学系全体での女性研究者の採用割合を25%とする数値目標を早期に達成するとともに、更に30%まで高めることを目指すとしている。今後、自然科学系の女子学生を増やすことなどの教育環境も含めて、科学技術の分野での男女共同参画を推進するための取り組みが進展することを期待したい。
(※1)総務省「平成24年科学技術研究調査」
(※2)文部科学省「第4期科学技術基本計画」
(※3)例えば、内閣府男女共同参画局「諸外国における専門職への女性の参画に関する調査」(平成23年11月)では、各国の女性研究者(大学教授)の割合は、スウェーデン18%(2007年)、韓国13.6%(2009年)、スペイン18.43%(2007年)、アメリカ合衆国17.6%(2009年)、日本11.6%(2008年)となっている。
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