2013年01月16日
サマリー
◆日本企業を対象とした2009年度と2010年度のESG要因に関する評価の得点でポートフォリオを組成し、評価がまとめられた後の1年間のリターンを分析したところ、次の結果が得られた。
◆2009年度と2010年度のそれぞれで評価の得点が平均値以上の企業によるポートフォリオを組成すると、等金額ポートフォリオのリターンは市場を上回ったが、時価総額加重ポートフォリオのリターンは市場と同程度か、市場を若干下回った。
◆2009年度と2010年度の評価得点の変化幅がプラスの企業とマイナスの企業でポートフォリオを作成すると、等金額ポートフォリオのリターンはいずれも市場全体のリターンを上回った。また、配当込みTOPIXのリターンが0.59%だったのに対し、時価総額加重ポートフォリオでは、変化幅がプラスの企業は2.18%.変化幅がマイナスの企業は-3.66%となった。
◆以上の結果は、企業評価の得点はESGを考慮した投資対象のユニバースの作成に利用できる可能性を示唆しているのではないかと思われる。また、得点の変化幅がプラスの企業で作成したリターンの動向は、投資に際して総合評価の経時的な変化を利用することが有効である可能性を示唆していよう。
◆ただし、本稿は2時点の評価データしか分析の対象としていないことや、業種構成の違いがリターンに影響している可能性があることなどに注意が必要である。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
気候変動問題への対策の評価対象企業はリターンが好調
CDPのパフォーマンススコアの紹介と、スコア対象企業の超過リターンの分析
2012年02月27日
-
女性取締役を有する企業と株式リターン
女性取締役に関する国際比較と、女性取締役を有する日本企業のリターン分析
2012年06月05日
-
ESGレーティングと株式リターン
グローバルな視点から見た日本企業に対するESG評価と株式リターンの分析
2012年06月26日
同じカテゴリの最新レポート
-
紛争の激化がサステナブルファイナンスに与える影響
脱炭素への取り組み、防衛産業の取り扱い、人権保護等の観点から
2026年04月13日
-
企業のAI導入・利用に必要な人権の視点
世界で進展するAI規制の展開と日本の現状を踏まえて
2026年04月10日
-
英国でもESG投資と受託者責任の関係は混迷
年金基金のESG投資に関するガイダンス策定を定める法案が否決
2026年04月03日
最新のレポート・コラム
-
上場オーナー企業と公開買付制度・大量保有報告制度の見直し
2026年5月1日に大量保有報告書等の提出義務が発生する場合も
2026年05月15日
-
デジタルアイデンティティ・デジタルクレデンシャルをめぐる取組みと実装技術の論点整理(第1部)
デジタルアイデンティティの基本像と、EUDIウォレットにみる制度化・実装動向
2026年05月14日
-
熊谷亮丸の経済・金融 Foresight 何故、わが国では潜在成長率が低迷しているのか?
高市政権は成長戦略を強化する方針だが、①労働、②資本、③TFP(全要素生産性)という3つの要素をバランス良く底上げする必要
2026年05月13日
-
AIが変える議決権行使助言業
中立性・客観性確保のための利用を訴求へ
2026年05月13日
-
中東リスクがASEAN進出企業に与える影響の差は、どのように生じているか?
2026年05月15日
よく読まれているリサーチレポート
-
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
-
いまさら人には聞けない 大量保有報告(5%ルール)のQ&A 【改訂版】
2024年金商法等改正法(2026年5月1日適用開始)を反映
2026年04月03日
-
検討進むガバナンス・コード改訂:2月案と4月案の相違点は
「解釈指針」は原則と一体という記述は削除。現預金への注目を避ける修文。
2026年04月10日
-
企業が意識すべきCGコード改訂案のインプリケーション
「金融資産」「実物資産」がコードに入った意味
2026年04月16日
-
日本経済見通し(2026年4月)
中東情勢緊迫による景気下振れリスク上昇で4月利上げは見送りか
2026年04月21日
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
いまさら人には聞けない 大量保有報告(5%ルール)のQ&A 【改訂版】
2024年金商法等改正法(2026年5月1日適用開始)を反映
2026年04月03日
検討進むガバナンス・コード改訂:2月案と4月案の相違点は
「解釈指針」は原則と一体という記述は削除。現預金への注目を避ける修文。
2026年04月10日
企業が意識すべきCGコード改訂案のインプリケーション
「金融資産」「実物資産」がコードに入った意味
2026年04月16日
日本経済見通し(2026年4月)
中東情勢緊迫による景気下振れリスク上昇で4月利上げは見送りか
2026年04月21日

