2012年06月26日
サマリー
◆FTSEのESGレーティング情報を用いて、レーティングの平均スコアを算出すると、日本企業は環境(E)に関しては非常に優れているが、社会(S)や特にガバナンス(G)について世界全体に比べて劣っていることがわかった。
◆スコアの上位と下位に分けてポートフォリオを作成したところ、直近の1年間では社会(S)やガバナンス(G)ではスコア下位よりも上位のリターンが高く、時価総額加重による投資よりも等金額投資の方がその関係が強まった。
◆過去7年間のリターンを分析すると、時価総額加重による投資では環境(E)、ガバナンス(G)のスコア上位企業に投資することで配当込みTOPIXに対する超過リターンが得られた年が多かった。また、等金額投資では環境(E)、社会(S)、ガバナンス(G)のスコア上位企業への投資で7年間の累積超過リターンがいずれも15%程度となった。
◆1時点のESGレーティング情報を用いて、過去にさかのぼってリターンを算出した結果であることや、業種構成の違いが影響していることなどには注意が必要であるが、これらの結果はESGのレーティング情報を活用することが運用パフォーマンスの向上に寄与する可能性を示唆しているのではないだろうか。
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