2012年02月27日
サマリー
◆2011年11月に発表された日本企業を対象とするCDPのパフォーマンススコアを用い、スコアリング対象の全企業(全スコア)、スコア上位企業、下位企業の3つのポートフォリオの株式リターンを分析したところ、次の結果を得た。
◆2005年から2011年の7年間の累積リターンが、配当込みTOPIXは-28.8%であったのに対し、スコア上位は+1.9%、下位は-10.6%で、スコア全体では-2.7%となった。いずれも、配当込みTOPIXのリターンを大きく上回っている。
◆各年の配当込みTOPIXに対する超過リターンをみると、スコア上位は7年間すべてでプラス、リターンが安定的に市場全体を上回っている。スコア全体は、スコア下位の影響で超過リターンがマイナスの年が2回あった。
◆スタイル・インデックスを使ってFama-Frenchの3ファクターモデルによる推計を行ったところ、スコア全体は月次ベースで+0.341%、スコア上位は+0.383%の統計的に有意な超過リターンを得ている。
◆これらの結果は、企業の気候変動問題への対策を評価することがSRIにおけるESG要因として有効であることを示唆しよう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
統合報告フレームワークの公表で期待される、非財務情報開示の充実
2013年12月20日
-
ESG評価と事後リターン
ESGに関する評価の得点で作成したポートフォリオのリターン分析
2013年01月16日
同じカテゴリの最新レポート
-
生成AI時代の人的資本経営と働き方の未来
『大和総研調査季報』2025年秋季号(Vol.60)掲載
2025年10月24日
-
GPIFのESG指数投資削減に求められる説明責任
投資先企業の信任を失えば「市場の持続可能性向上」は実現不可能
2025年10月16日
-
デジタルMRVが変えるカーボンクレジットの品質評価
炭素価値と非炭素価値を統合する、多面的な品質評価の必要性
2025年10月15日
最新のレポート・コラム
-
親子上場などに関する開示議論の再開
不十分な開示状況に対して、開示項目の記載必須化に向けた議論も
2025年10月27日
-
健康経営の新たな戦略基盤
従業員多様化時代のウェルビーイングプラットフォームの可能性
2025年10月24日
-
2025年9月全国消費者物価
政策要因でコアCPI上昇率拡大も物価の上昇基調には弱さが見られる
2025年10月24日
-
中国:新5カ年計画の鍵は強国と自立自強
基本方針は現5カ年計画を踏襲、構造問題の改革意欲は低下?
2025年10月24日
-
バブル期と比較しても、やはり若者が貧しくなってはいない
~未婚若年層の実質可処分所得・1980年からの超長期比較版
2025年10月27日
よく読まれているリサーチレポート
-
第226回日本経済予測(改訂版)
低成長・物価高の日本が取るべき政策とは?①格差問題、②財政リスク、を検証
2025年09月08日
-
聖域なきスタンダード市場改革議論
上場維持基準などの見直しにも言及
2025年09月22日
-
今後の証券業界において求められる不正アクセス等防止策とは
金融庁と日本証券業協会がインターネット取引の新指針案を公表
2025年09月01日
-
日本経済見通し:2025年9月
トランプ関税で対米輸出が大幅減、製造業や賃上げ等への影響は?
2025年09月25日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
第226回日本経済予測(改訂版)
低成長・物価高の日本が取るべき政策とは?①格差問題、②財政リスク、を検証
2025年09月08日
聖域なきスタンダード市場改革議論
上場維持基準などの見直しにも言及
2025年09月22日
今後の証券業界において求められる不正アクセス等防止策とは
金融庁と日本証券業協会がインターネット取引の新指針案を公表
2025年09月01日
日本経済見通し:2025年9月
トランプ関税で対米輸出が大幅減、製造業や賃上げ等への影響は?
2025年09月25日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日

