2010年11月24日
サマリー
◆11月1日に発行された組織の社会的責任に関するガイダンスISO26000は、消費者から従業員・人権・環境・コミュニティと広範囲な課題を対象としており、ESG(環境、社会、ガバナンス)のほとんどを含んでいる。当規格は企業にとどまらず、政府・学校・NPOなど「組織」を対象としている点、認証を必要とする規格ではない点が大きな特徴である。
◆コミュニケーション手段としての情報開示については、情報そのもののほかに、情報の選択基準や評価も求められており、IFRSと同様の原則主義となっている。具体的な報告書様式は規定されていないものの、参考として既存のイニシアチブの紹介がある。
◆イニシアチブの中には、自団体が公開している報告書ガイダンスの利用者のために、ISO26000関連表を発表したり、ISOとMoU(覚書)を締結したりしているところがあり、ISO26000が国際的に広がる可能性をうかがわせる。一方で、財務情報と非財務情報を「統合報告」としてまとめようとする動きも出てきており、報告書による情報開示のあり方については議論が続く。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
東証が求めるIR体制の整備に必要な視点
財務情報とサステナビリティ情報を統合的に伝える体制の整備を
2025年04月28日
-
サステナビリティ課題への関心の低下で懸念されるシステムレベルリスク
サステナビリティ課題と金融、経済の相互関係
2025年04月21日
-
削減貢献量は低炭素ソリューションの優位性を訴求するための有用な指標となるか
注目されるWBCSDのガイダンスを踏まえて
2025年04月17日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
トランプ関税で日本経済は「漁夫の利」を得られるか?
広範な関税措置となっても代替需要の取り込みで悪影響が緩和
2025年03月03日
-
地方創生のカギとなる非製造業の生産性向上には何が必要か?
業種ごとの課題に応じたきめ細かい支援策の組み合わせが重要
2025年03月12日
-
中国:全人代2025・政府活動報告を読み解く
各種「特別」債で金融リスク低減と内需拡大を狙う
2025年03月06日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
トランプ関税で日本経済は「漁夫の利」を得られるか?
広範な関税措置となっても代替需要の取り込みで悪影響が緩和
2025年03月03日
地方創生のカギとなる非製造業の生産性向上には何が必要か?
業種ごとの課題に応じたきめ細かい支援策の組み合わせが重要
2025年03月12日
中国:全人代2025・政府活動報告を読み解く
各種「特別」債で金融リスク低減と内需拡大を狙う
2025年03月06日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日