2024年07月08日
サマリー
◆トランプ前政権で策定された議決権行使助言業者の業務を規制するSEC規則は、バイデン政権の下で廃止されたが、その廃止手続きの適否を争う訴訟が続いていた。2024年6月26日に第5巡回区控訴裁判所は、廃止手続きに違法があるとして、SECの廃止決定を覆した。
◆当該SEC規則は、議決権行使助言業者に対して、議案の賛否を機関投資家等に推奨する助言レポートを、発行と同時に上場会社にも提供すべきことと、上場会社から反論等があれば助言レポートの購入者にこれを周知すべきことを定めていた。
◆日本においても、経済団体からは議決権行使助言業者に対する何らかの規制を求める声があったが、SEC規則の廃止によって、ややトーンダウンしていた。今回の裁判所の判断は、規制を求める声を再び大きくすることになるかもしれない。
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