サマリー
◆日本の年金資産(公的年金、年金基金)は、2020年3月末で378.3兆円と、前年同期と比べて▲11.5兆円減少した。2020年初以降、新型コロナウイルス感染症の拡大により生じた世界的な株価下落が影響している。
◆公的年金の残高は220.7兆円と前年比で▲11.6兆円減少した。株式等の残高が減少した一方、GPIFによる外国債券への投資拡大で、対外証券投資は残高、フローともにプラスが続いている。GPIFの基本ポートフォリオを踏まえれば、今後も対外証券投資の拡大傾向が続くだろう。
◆年金基金のうち、確定給付型年金は公的年金と同様に株価下落等により残高が減少し、足元では積立不足が拡大した。一方、企業型DC(Defined Contribution:確定拠出年金)やその他年金(小規模企業共済や個人型DCなど)は、資金流入の増加や株価変動の影響を受けにくい資産構成によって、それぞれ残高が増加した。
◆株価下落局面においては、年金積立金を株式で運用することに対する国民の不安の声が高まるが、長期的にみれば株式による収益は年金資産の増加に寄与している。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
大和のクリプトナビ No.3 ビットコインのポートフォリオ組入れ効果
GPIFの基本ポートフォリオをもとにした検証
2025年06月25日
-
議決権行使助言業者規制再導入の検討開始
米国議会で議決権行使助言業者規制に関する公聴会が開催された
2025年05月13日
-
大和のクリプトナビ No.2 暗号資産価格のリターン・ボラティリティ・相関の特徴
過去のリターンは、将来のリターンに対する一定の予測力が存在
2025年04月15日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
第225回日本経済予測(改訂版)
人口減少下の日本、持続的成長への道筋①成長力強化、②社会保障制度改革、③財政健全化、を検証
2025年06月09日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
「トランプ2.0」、外国企業への「報復課税」?
Section 899(案)、米国に投資する日本企業にもダメージの可能性有
2025年06月13日
-
日本経済見通し:2025年5月
経済見通しを改訂/景気回復を見込むもトランプ関税などに警戒
2025年05月23日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
第225回日本経済予測(改訂版)
人口減少下の日本、持続的成長への道筋①成長力強化、②社会保障制度改革、③財政健全化、を検証
2025年06月09日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
「トランプ2.0」、外国企業への「報復課税」?
Section 899(案)、米国に投資する日本企業にもダメージの可能性有
2025年06月13日
日本経済見通し:2025年5月
経済見通しを改訂/景気回復を見込むもトランプ関税などに警戒
2025年05月23日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日