中小企業にとって確定拠出年金は必要か

中小企業は年金制度の普及が定着しておらず、導入企業側の理解がカギに

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2012年05月10日

サマリー

◆確定拠出年金の導入状況によると、実施事業主には従業員数300人未満の中小企業が多い。適格退職年金の廃止による制度変更などが影響しているようだが、適格退職年金の全体規模から見ると、確定拠出年金への移行は全体の約1割程度に留まる模様だ。その他の移行先として中小企業退職金共済が大半を占めており、確定拠出年金の普及があまり進んでいないことは重要な事実であろう。

◆さらに中小企業では、退職一時金制度の比率が高く年金制度自体の普及が定着していないともいわれる。無論、中小企業においても確定拠出年金はメリットとなる部分は多く、今後、導入が広がることが期待されることはいうまでもない。

◆ただし、現段階においては、従来型の確定給付企業年金での運用と比較すると、パフォーマンスでは劣後するケースも少なくない。導入企業側での確定拠出年金の利点や機能性等の側面を見据えた上で、中小企業への導入が広がっていくことを期待したい。

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