2022年06月24日
サマリー
◆2022年の世界競争力ランキング(2022年6月15日IMD 公表)によれば、日本の総合ランキングは過去最低の34位となった。「ビジネス効率性」は51位と評価が低い背景には、「経営の実効性が低く、企業の生産性・効率性も低い」という日本企業の課題がある。組織戦略の論点を整理した上で、「ビジネス効率性」の改善の手掛かりとなる「大企業の組織戦略」に焦点を絞って、解決策の提案を試みる。
◆日本企業が掲げる組織戦略については、国内上場企業の開示資料から7つのキーワードを抽出した。具体的には、①組織拡大戦略、②戦略的持株会社、③新規事業関連組織の発足・強化、④トレンド対応組織の設置(DX対応)、⑤企業内大学設置、⑥エンゲージメント強化、⑦フラット型組織の7つのパターンに分類された。組織戦略づくりのヒントになると考える。
◆日本が国際競争力で高い評価が得られない理由は、見栄えの良い「経営戦略」を掲げてはいるが、「組織の健康状態」について配慮した「組織戦略」を実行できていないことにある。「組織の健康状態」を改善する有効な手法としては、「退職者分析から始める簡易組織診断」が挙げられる。定量的な退職者分析で企業特有の法則性が見つかれば、効果的な対応策が可能となる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
ROEの持続的向上のための資本規律の重要性
資本コストを真に意識した財務戦略への道
2025年05月02日
-
シリーズ 民間企業の農業参入を考える
第2回 異業種参入:持続的成長をもたらす戦略とは
2025年03月11日
-
中期経営計画の構成形式に関する一考察
企業の状況や経営の考え方を反映した最適な選択を
2025年02月12日
関連のサービス
最新のレポート・コラム
-
議決権行使助言業者規制を明確化:英FRC
スチュワードシップ・コード改訂で助言業者向け条項を新設
2025年06月10日
-
上場後の高い成長を見据えたIPOの推進に求められるものとは
グロース市場改革の一環として、東証内のIPO連携会議で経営者向け情報発信を検討
2025年06月10日
-
第225回日本経済予測(改訂版)
人口減少下の日本、持続的成長への道筋①成長力強化、②社会保障制度改革、③財政健全化、を検証
2025年06月09日
-
2025年1-3月期GDP(2次速報)
実質GDP成長率は前期比年率▲0.2%に改善するも民間在庫が主因
2025年06月09日
-
「内巻」(破滅的競争)に巻き込まれる中国自動車業界
2025年06月11日