2013年01月28日
サマリー
◆本稿は本年1/9付コンサルティングインサイトをベースとし、さらに踏み込んで調査したもので ある。インサ イトではインターネット企業の3ヶ月平均のウェブ視聴率(デイリー・リーチ)と、株式時価総 額の相関をとったが、その決定係数は、主要23社で0.86と高く、今回53社に対象を拡大しても 0.64となった。
◆上記の分析による近似式では、時価総額1兆円を超す企業は全インターネット・ユーザーの3~6%の視聴率を確保する必要がある。世界全体のユーザーを20億人とすると、6,000~12,000万人が視聴する規模にならねばならない。日本国内のユーザーは9,610万人。最低でも国内の3分の2が利用するサービスになることが必要だ。ちなみに、現時点で日本のネット企業の中で時価総額が1兆円を超えているのはヤフー(日:視聴率3.27%)だけである。
◆しかし、なにも上場企業の経営者は時価総額の成長「だけ」を目標に経営を行っているわけではない。また、沢山のユーザーの眼に触れることも大事ではあるが、それ以上にマネタイズ(収益化=ビジネスモデルの確立)も重要である。そこで、ビジネスモデルを大きく6種類に分け、さらにそれを浸透・強化させるための2つの戦略を紹介する。
◆また、ウェブサービスではいくつかの指標が経営にとって重要になってくる。自社にとってもっとも重視されるべき指標(KPI)を発見し、それを目標とせねばならない。
◆資本市場は極めてシビアな眼で企業を判断するが、逆にその視点に成長の手がかりがあることが多い。上場企業は市場との対話で、未上場企業はそれら上場企業の開示資料をベンチマークに分析することで、思わぬチャンス(とリスク)を発見することができる。
◆当社は、次代を担うインターネット企業が、株主を含むステークホルダーのコミュニティから誠実な経営姿勢を評価されるために、積極的にその支援をさせていただきたいと考えている。
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