中期経営計画プリンシプル 現場で大切にしたい8つのこと(上)

「これは、まあ、アレだから」に陥らないために

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  • マネジメントコンサルティング部 主席コンサルタント 林 正浩

サマリー

◆ポピュラーな戦略ツールである中期経営計画(中計)の実行性に疑問符がついている。企業の中には軽視する向きもあり、経営者の中でも中計不要論者は数多い。実効性を担保し意義のある計画にするためには、経営企画部員自らがディテールに入る前に原理原則をおさえておく必要がある。


◆計画の根幹をなすのはトップラインの拡大か、利益体質の強化か。あるいは両方か。この原理原則を橋頭保として現場の行動原則をはじめ、組織デザインやバリューチェーン見直しに際しての価値基準を形成するべきだろう。


◆計画実行の主体である企業グループは製販分離か製販一体か。どちらを軸とするかはトップライン重視か利益重視かなどの大方針によっても変わる。権限・責任のデザインや組織構造と「売上か利益か」がアンマッチになることは避けたい。


◆中期スパンの経営計画作成の要諦は新規事業と育成途中の事業のマネタイズ(収益化)にある。可能な限りリアルに考えることが求められよう。結果的に単なる既存事業の強化のみがドライバーであるとの結論に陥らないようにしたい。


◆計画の策定プロセスにおいては様々な思惑が渦巻く。トップダウンで大方針を掲げ、その大方針に基づき経営企画部員自らがコンメンタール(指示書・行動指針)を描きおこすことで「ちゃぶ台返し」を未然に防ぎたい。

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