2019年05月22日
サマリー
リスク分担型企業年金が2017年1月に創設されてから2年4ヵ月が経過した。
リスク分担型企業年金とは、積立金の変動リスクや予定利率の低下リスクといった将来発生する財政悪化リスク相当額をリスク対応掛金として企業と従業員等で分担する企業年金である。特徴は、毎年度の決算において給付を増減させることで財政の均衡が図られるため、企業の掛金が固定されることだ。
2019年5月1日時点での導入件数は、9件(※1)と普及が進んでいない。その理由として考えられるのは、リスク分担型企業年金の制度としての仕組みの難しさ、移行時点での財務面に与える影響の大きさではないかと思われる。
そこで本稿では、財務面での影響を確認する観点から、企業がリスク分担型企業年金を導入した事例について財務諸表等の開示資料で確認し、その会計上の影響を比較・分析する。
(※1)2019年5月1日現在のリスク分担型企業年金等の導入状況は、リスク分担型企業年金9件、リスク対応掛金の設定のみ474件。参考までに、2019年4月1日現在の確定給付企業年金は12,936件(厚生労働省ホームページより)
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