2024年03月29日
サマリー
◆人手不足を反映して役職定年制の廃止や定年延長を検討する企業が増えている。
◆日本における男性高齢者の労働力率はすでに国際的にも高く、さらなる高齢者雇用の増加は容易ではない。経済協力開発機構(OECD)によれば、日本は「生産的で質の高い仕事を行える職業人生の延長に向けた努力を阻み続けている」構造的な課題があるとされ、過去、その政策対応について提言を受けている。
◆企業では高齢労働者の生産性向上を課題として認識しつつも、人件費負担増の面から定年延長など具体的な対応を取るところは限られているため、意欲のある高齢労働者の高い能力やスキルが生かせない状況につながっている。
◆一方で、高齢者は健康面などの個人差や働き方・処遇への希望も多様であるため、「良質で生産的な仕事ができる職業人生を延長」するためには、スキルや能力が発揮できる複数の働き方から各人が選択できる仕組みが考えられる。
◆人材が持つ価値を最大限に引き出し、中長期的な企業価値向上につなげる人的資本経営の推進に向けても、イキイキとした職業人生を送れる職場の構築が必要だろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
人的資本経営のリアル~エンゲージメントが未来を拓く
スキルベースの発想で人材育成を加速させよう!
2025年09月11日
-
M&Aによる人事制度統合の検討
検討初期段階で押さえておきたいこと
2025年03月24日
-
なぜ健康経営の成功は睡眠から始まるのか
健康経営の鍵は適正な睡眠とプロフェッショナル意識の醸成にあり
2025年02月26日
関連のサービス
最新のレポート・コラム
-
働く低所得者の負担を軽減する「社会保険料還付付き税額控除」の提案
追加財政負担なしで課税最低限(年収の壁)178万円達成も可能
2025年10月10日
-
ゼロクリックで完結する情報検索
AI検索サービスがもたらす情報発信戦略と収益モデルの新たな課題
2025年10月10日
-
「インパクトを考慮した投資」は「インパクト投資」か?
両者は別物だが、共にインパクトを生むことに変わりはない
2025年10月09日
-
一部の地域は企業関連で改善の兆し~物価高・海外動向・新政権の政策を注視
2025年10月 大和地域AI(地域愛)インデックス
2025年10月08日
-
政治不安が続くアジア新興国、脆弱な中間層に配慮した政策を
2025年10月10日